おかやまDMネット(岡山県糖尿病対策専門会議)

SGLT-2阻害薬のダパグリフロジンの腎保護作用を検証するDAPA-CKD試験が良好な結果のために早期終了となりました

 DAPA-CKD試験は、プラセボを対照としたフォシーガ®(ダパグリフロジン)10mgの腎保護作用を検証する無作為化二重盲検比較試験です。参加者は21ヵ国からの4,245名であり、CKDステージが2-4期、アルブミン尿を有する患者で、2型糖尿病の有無は問いません。主要複合エンドポイントは「腎機能の悪化」であり、これは「eGFRの50%以上の低下」「末期腎不全(ESKD)の発症」「心血管死または腎臓病死」と定義されています。本試験はもともと2020年11月に終了予定でしたが、今回、プラセボ群と比較してフォシーガ群で圧倒的な効果を認めたため早期終了となったと2020年3月30日にプレスリリースが行われました。

 これまでにカナグル(カナグリフロジン)を用いたCREDENCE試験(DONATS 2019/4/16掲載)で2型糖尿病患者におけるSGLT-2阻害薬の腎保護効果が示されていますが、DAPA-CKDでは糖尿病の有無に関わらない腎保護効果が示された可能性があります。

 現状ではCKDに対する治療薬が限られていますので、今回の結果がもととなり、将来的に治療の選択肢が広がることが期待されます。なお、本試験の詳細な結果の公開時期・場所については未定です。

情報元:アストラゼネカ株式会社プレスリリース
https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2020/farxiga-phase-iii-dapa-ckd-trial-will-be-stopped-early-after-overwhelming-efficacy-in-patients-with-chronic-kidney-disease.html

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