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CREDENCE試験の結果を受け、米国糖尿病学会が2019年版の糖尿病診療ガイドラインを一部改訂しました

 米国糖尿病学会(ADA)は毎年「Standards of Medical Care in Diabetes」(糖尿病診療ガイドライン)を発表1)していますが、2019年4月に発表されたCREDENCE試験(DONATS 2019/4/16に掲載)の結果を受けて、2019年6月3日にこの診療ガイドラインを一部改訂しました2)


1.2型糖尿病患者で慢性腎臓病(CKD)を合併している患者に対しては、CKDの進展と心血管イベント発症リスクを抑制するためSGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の使用が同列で推奨されていた(grade C)が、今回の改訂で患者像によって考慮する薬剤を明確にした。
 
 ① 糖尿病性腎臓病(DKD)を合併した2型糖尿病患者のうち、eGFRが30mL/min/1.73m2以上で、
  特にアルブミン尿が300mg/gを超える場合には、SGLT2阻害薬を使用することを検討する。
  (grade A)

 ② CKD患者のうち心血管リスクの高い患者に対しては、アルブミン尿の進行および心血管イベントの
  リスク低減のために、GLP-1受容体作動薬の使用を検討する。(grade C)

2.「罹病期間が5年以上の1型糖尿病患者」、「全ての2型糖尿病患者」、「全ての高血圧を併発している患者」に対して、少なくとも年に1回の尿中アルブミン測定とeGFR測定を推奨していたが、このうち、「全ての2型糖尿病患者」に対しては「治療に関わらず」と追記。

 
 我が国において、新規透析導入の原疾患で最も多いものは糖尿病性腎症であり、糖尿病性腎症を抑制することは喫緊の課題と考えられます。これまでに糖尿病性腎症に対する有効性を示したエビデンスは数少なく、ADAの診療ガイドラインに迅速に反映されるほどの結果が報告されたことは大変意義深いと考えられます。今後、本邦における位置づけがどのようになるか注目していきたいと思います。

 

1) https://care.diabetesjournals.org/content/42/Supplement_1
2) https://care.diabetesjournals.org/living-standards#June 3

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