おかやまDMネット(岡山県糖尿病対策専門会議)

新規の超速効型インスリン製剤である「フィアスプ®注」(インスリンアスパルト)が国内で製造販売承認を取得しました

 「インスリン療法が適応となる糖尿病」を適応症とする、新規の超速効型インスリンアナログ製剤である「フィアスプ®注」が「フレックスタッチ®」「ペンフィル®」「バイアル100単位/mL」の3形態で2019年9月20日に国内における製造販売承認を取得しました。海外においては米国で2017年9月(DONATS 2017/10/4掲載)、欧州では2017年1月にそれぞれ承認を取得しており、米国から遅れること2年で国内での承認取得となりました。

 「フィアスプ®注」は「インスリンアスパルト」を基本構造としたインスリンアナログ製剤で、インスリン構造にニコチンアミドであるビタミンB3を付加することによりインスリン吸収速度をさらに速めることに成功しました。「フィアスプ®注」は注射後、約2.5分で血中に移行し始めるとされています。国内での承認は主に2つの国際共同第3相試験(「onsetTM7」および「onsetTM8」)の成績に基づいていますが、これらの試験では食事開始時(食事開始前0~2分前)、または食事開始後20分に投与を行い、「ノボラピッド®」との非劣性を示しました。これにより、国内でも「食事開始時の投与」、または「患者の生活習慣や状態により、必要な場合は食事開始後投与」を選択可能となっています。

 従来の超速効型インスリン製剤(「ノボラピッド®」、「ヒューマログ®」、「アピドラ®」)では吸収速度が追いつかず、食後血糖をしっかり抑えるためには食事の10~15分前に注射することが必要な場面も見られましたが、より吸収速度が速い新しいインスリン製剤が登場することで、インスリン使用中の患者(インスリンポンプ使用中の患者も含めて)にとって大きなメリットになるかもしれません。

 なお、現時点では薬価収載時期は未定です。
(情報元:ノボノルディスクファーマ株式会社プレスリリース(2019.9.20))

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